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ある日、母にグリオーマが見つかった。

ある日、母にグリオーマ(神経膠腫)が見つかりました。それは突然のことでした。 グリオーマって何なのか、闘病って何なのか、生きるって何なのか… そんなことを考えながら娘である私が書きます。
2025
06,18

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2008
11,15
前回、痴呆症のような症状が出たことをお話ししましたが、
この時期が私は精神的に最もつらい時期でした。
もちろん父も、姉も相当ショックを受けていました。

もしかして、母はずっとこのまま…!?
手術なんか受けなければ良かったのでは……

そんな後悔と不安と先の見えない恐怖で、私たちはぐったりとしていました。
無邪気に走り回る母。

どうしたらいいんだろう…

次の日の母の行動。それは…

「あらゆる人に電話をかけまくる」ことでした。

父や友達、勤務先など…とにかく手当たり次第、電話をしまくっていたようです。

そして

「もう私、ダメみたい…。はやく来て…。」

というようなことを言っていました。

実際、そんな内容の留守電を聞いて、駆けつけて来てしまった母の友達もいました。
本当にご迷惑をおかけしました…。

病院に行くと、私に向かって

「あんた、携帯電話持ってるんでしょう。もうすぐ私、死ぬんだから電話しないといけないのよ!」
そんなことを言ってきました。

「今日、私、携帯電話持ってくるの忘れちゃったんだ。」
「もう!こんな大事なときに!じゃ、コインは?あるでしょう?公衆電話で…」
「お母さん、電話しなくても大丈夫よ。」
「何言ってるの!?もうすぐ死ぬのに!」
「どうして?手術は順調にいったのに。」
「だまされちゃダメ!手術は失敗だったの!」
「…」
「最期の言葉くらい言わせてよ…」
「…」
「最期にみんなに”ありがとう”って言いたいの……」


術後、何度かMRIやCTを撮ってもらいましたが、特に大きな異常は見つかりませんでした。
ただ、度重なる痙攣発作の朦朧とした意識の中で、母は勝手に「自分はもうすぐ死ぬ」と思い込んでしまったようでした。

つらかったです…。
母もつらかったと思いますが、私たち家族もつらかったです…。

担当医は、めずらしい症状だが(年配の男性の方が若干起こりやすい症状らしいです)一時的なものだろうとおしゃっていました。

とにかくその言葉を信じるしかなかったです。

一日でも早く、いつもの母に戻って欲しかったです。



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プロフィール
HN:
cat rin
年齢:
44
性別:
女性
誕生日:
1981/04/12
職業:
会社員
趣味:
焼肉を食べること
自己紹介:
韓国に滞在していた時、母の脳腫瘍(グリオーマ)の存在が発見され、ただちに帰国。

現在は都内の会社に勤務しつつ、手術を終えた母とも仲良く暮らしています★
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